Yasuko Kajima

作品

Yasuko Kajima

作品

布と染料を使用したロウケツ染めの作品。これまでの制作を以下の5つに分類。

独自の見方でデザインした

西欧文化との融合

西欧の服装とその背景による表現

ノート:
「バレエによる夢想」は、豪華なバレエ衣装と東洋風の幕と庭園を融合してユニークな画面構成を確立したと評された(『美術画報』NO.22)。1992年グランダルシュ日本フェスティバル(於:フランス)において「アールクレアシオン」賞を受賞した。
「劇場」は西欧ルネサンス期の劇場と人物をテーマにした。秋吉和夫氏の選考により『美術画報』に掲載された。この後、ベルサイユ祭17回1998年(於:フランス)に出品、Prix de la baie royale da versailles「王の窓」賞を受賞した。
「オペラによる夢想」は、フランスルネサンス・ファッションの女性を中心にした仮想空間、ロウケツ染めのテクニックが駆使された作品と評された。『芸術百家』(朝日アートコミュニケーション編)2000に評論家の推薦により掲載された。
「舞踏会」は、西洋建築の天井の美しさに惹かれ、ロココファッションの男女を配してロマンチックな空間を創った。2001年三軌展に出品、『美術画報』No.32に掲載した。

オリエンタル風

西欧の服装と中近東の文化を融合した

ノート:
「オリエンタルラプソデイー」は、19世紀初めのオリエント風ファッションと中東のモスクの装飾を融合、まさに作家の感性によるオリエンタルラプソデイーと評された(美術画報NO36)。
「オリエンタルラプソデイー2003」は、アールデコ調ファッションの女性と東洋風室内の融合。背景は、イギリスブライトンにあるジョージ4世の離宮の室内装飾をもとにした。このインド風の建築外観と室内はまさにオリエンタル風で非常に感動した。メルボルン日本芸術祭2007(於:オーストラリア)に出品、『日豪芸術友好賞』を受賞した。オリエンタルな情緒に浸ることができるドラマチックな作品と評された(メルボルン日本芸術祭作品集、アートコミュニケーション2007発行)。
「東方の幻想」は、西南アジアの踊り子と古代イタリアの建物や装飾を融合した。日本とも中国とも異なる色とりどりの装いと踊りは素晴らしい。トルコ日本現代芸術世界展(於:イスタンブール)2008年に出品した。

日本文化との融合

日本のキモノ文化と西欧文化の融合

「遊楽ファンタジー」は、イタリア・バロック風聖堂に見る空間に、日本の桃山時代の遊楽図の人物を融合した。アルゼンチン・日本芸術祭に2008年出品した。
「群舞ファンタジー」は、日本の江戸時代の風俗とイスラム風建築装飾(イスタンブール)を明るい色にして組み合わせ融合した装飾空間。第5回日伊芸術驚異と美の饗宴(於:イタリア)2009年に出品した。
「雲の上の幻想」は、雲の上で舞う3人の人物と、西欧の都市と融合させた幻想空間。独特の構図と工夫を凝らした雲の表現が見どころと、評された(「花美術館」Vol.33 2013年)

気象の表現

四季を現代の天気図の気圧配置と雲によりとらえ、日本文化をまとった人物とともに表した

春気象のファンタジー : 立春後、低気圧(青の線)に向かって太平洋高気圧(赤の線)の温かい南風が日本列島に吹き込む。 春風を送る団扇を持った乙女が春を告げる。
憂愁の雲:夏にやってくる台風は今日、巨大化している。気象衛星から見る台風の様子は寂しく恐ろしい。こんな自然の中で生きる人間の世界を、古典的文化をまとった人物とともに表現した。
猛暑・夏気象のイメージ:太平洋高気圧の勢力が非常に強くなり、等圧線の形が鯨の尾型(中央の赤の部分)になると猛暑になる。ここに東西に雲がかかり、浮世絵の美人を配して日本の夏を表した。
白露の秋気象:上空にある複雑な形の上昇気流(寒気を青、暖気を赤)を高層天気図からとらえた。この気流の活発な活動は雨を降らせる。こうした背景に江戸時代の美人図を加えて日本の秋を表現した。
哀愁の筋雲:冬の西高東低の気圧配置、つまり西側で発達したシベリア高気圧から冷たい風が吹き込む。そして日本海上に筋状の雲を作り大雪を降らせるという。これに、押し絵形「春駒」を持った美人と融合させ、冬の気象を表現した。

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